海外でイスラム国との攻防の最中、国内で痛ましい事件が発生しました。グローバル化と言われる現代では、海外の出来事も他人事ではなく、コミュニケーションの希薄な国内では、狂気的と思える事件でさえ身近で起こり得る状況なのかも知れません。大袈裟な精神論ではなく、一人の心理臨床家として考えてみました。
先日出席した統合失調症研究会で、精神疾患の連続性と脳の減少という知見に出会いました。論文の日付を見ると何年も前から提唱されているので、単に私が知らなかっただけなのですが・・・。連続性と言う点では、「躁うつ病」のことを知っている程度だったのですが、統合失調症と躁うつ病と反復性うつ病(繰り返すうつ病)と強迫性障害や不安障害なども連続しているようです。脳科学の進歩が大きく関係する成果だと思いますが、今までの精神疾患の見方を大きく変える出来事だけに、落ち着くまでには未だ時間がかかりそうです。
女子大生に何があったかは、想像でしかありません。でも、精神疾患と脳の減少が関係していること、精神疾患の連続性を併せて考えると、何か精神的に満たされない状況を背景として、ストレスに弱い精神状態となり脳の減少につながった結果、特有のパーソナリティが出来上がったと考えています。
精神的に満たされた状態(単純な線引きは出来ないでしょう)であれば、薬物乱用などの依存症状も出来にくいと考えられ、私は学校での薬物乱用防止講演でも、このことに触れています。女子大生と殺害された方とは宗教を通じて知り合っていますから、女子大生が宗教に関心を持たざるを得ない状況(精神的に満たされてない状況)があったと推測します。
精神を満たすもの、私は『こころの栄養』と表現します。基本的にはコミュニケーションだと考えます。コミュニケーションで精神を満たし、『こころの栄養』で脳の減少を防ぐ、ことができるように思うのです。女子大生が精神的に満ちていたか?は私にはわかりません。でも、このように考えると理解しやすいことは事実です。そうすると、今回のような事件は、女子大生に特有のことではなく、身近なところでも十分起こり得ることとも考えています。
精神が満たされない状況では、人は間違った方向に関単に進むこともあります。コミュニケーションが希薄だと、偏った情報しか届かない状況になったりして、偏った判断を下すことになるのです。社会で生活してゆくうえで必要なバランス感覚や広い視野が養えないからですね。女子大生が挙げていた、過去の事件の犯人たちは典型ではないでしょうか。
私ら医療業界でも、自然派志向に偏っていたり、ステロイドは何時でも悪と決めつけたり、インフルエンザなら抗インフルエンザ薬がなければダメと考えたり、健康情報などに影響されているケースが珍しくありません。必要なのは白か黒かではなく、その中間にあるグレーに気づくことではないでしょうか。
コミュニケーションが充分あることで、多様な考え方と交わり、グレーゾーンが育ってゆくと思います。ネットや携帯でつながっていると言っても、文字だけのつながりでは一部しか伝わりません。表情や声のトーンや態度などの文字以外のメッセージも重要なのです。メールやラインばかりでなく、時には電話で、時には直接会って、会話をしてみてはいかがでしょう。
コミュニケーションにも、浅い・深いがあります。深いコミュニケーションを持っている人は、何となく病気の治りも早いような印象があります。その人が持っている、回復力・免疫力・体力などをまとめて回復の方向に向かわせるのでしょうね。回復力・免疫力・体力などが充分あるのに治り難い人もいますが、心が満たされてないような印象を受けます。この辺りは、実存療法にも重なるように思います。
治療家として、この部分にも気づいてもらうよう話をしてゆかなければなりませんね。
まとまりの悪い終わりになりました。一部でも納得できる部分があれば幸いです。
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